Eptamitar 50mm f2.0
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo


製造会社:Officine Galileo
レンズ構成 4群7枚 変形ダブルガウス型
最短撮影距離 1m
最小絞り:12.5

Lens Impression

エプタミタールEptamitar 5cm f2はイタリアの光学メーカーOfficine Galileoの大口径標準レンズで、 同じイタリアのOfficine Meccaniche di Precisioneが製造したカメラGammaガンマに装着されたレンズです。ガンマはシャッター膜が弧を描いた金属板でできている非常に珍しい構造のカメラで、初期型は専用バヨネットマウントでしたが、一般にII型と言われる後期型からはライカ・スクリューマウントとなり、各社からライカマウントのレンズが供給されました。
こうしたガンマ用のレンズの多くが、現在「ノンライツ・ライカマウント・レンズ」と言われるレンズ群の一角を成しており、このエプタミタールもその中の希少な1本といえるでしょう。

レンズ構成はライツ社のズミタールと全く同じ構成の4群7枚で、第一群が貼り合わせダブレットというところにその特徴を引き継いでいます。 エプタはおそらくギリシャ語のεπτ?/エプタ/eptaという数字の7に由来するもので、7枚レンズの7とズミタールの名称の後半を組み合わせた造語だと思われます。

ライツ社のズミタールとエプタミタールに光を当てて、反射面を観察したところ、曲率から内部のレンズ面反射の位置・サイズまですべて全く同一という結果が得られました。すなわちエプタミタールのレンズ構成はズミタールと寸分違わず同一と言えると思います。ただしコーティングの反射色は異なっており、反射色の薄いエプタミタールのほうが古典的な味わいを得られるかもしれません。

作例から見るエプタミタールの描写はとてもすっきりしています。一方、ズミタール同様ボケ味に特徴があり、個人的には堅苦しい印象を与えるこれらのレンズの描写はそれほど好みではありませんが、歴史的、オールドレンズとしての価値としてはそんな好き嫌いを離れたところに十分このレンズの重要性があると言ってよいでしょう。


 Photos with Eptamitar 5cm f2.0
 
2020
Nakameguro
(中目黒)
道行く人はマスクばかりなりということで表情などはわかりません。スナップ撮影もやりにくくなりました。この作例も少し絞った画像が多くて、あまりボケは見られませんが、やはりちょっとざわっと固いという特徴が見られます。
2020
Sakitama Kofun-gun
(さきたま古墳群)

本格的な夏が到来した7月に前から訪れたかった「さきたま古墳群」に行ってきました。ここにはなにより文字鉄剣で有名な稲荷山古墳があり、現物が展示されています。この鉄剣に刻まれた115文字の中から雄略天皇が特定され、5世紀後半における大和朝廷の勢力分布が明確になったという歴史的に大きな意味のある古墳です。それ以外にもほとんど隣り合わせというくらい近い距離に多数の古墳が鎮座しており、東京からこんなに近いところに奈良・大和にも匹敵する貴重なものが存在することに大いに感銘しました。

描写は見ての通りです。明るいので少し絞ったものが多いですが、しっかり写りますね。

 
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